January 20, 2009

鬼無里(長野市)の水道事情〈その2〉

本日大寒。今朝の冷え込みはさほどでもなく−6℃ほど。

http://blog.sonomano.jp/index.php?blogid=5263&archive=2008-12-16
のつづき

長野市に合併後、その運用が市の基準に変わりつつあります。それはすなわち都市部の基準を山間地に当てはめようと言うもの。はたしてそれがどこまで可能なのか。今いろいろなところで歪みが生じています。
上水はともかく下水の話。
画期的な合併浄化槽運用システムを採用した旧鬼無里村。鬼無里のような山間地で下水道が完備されていなくても、下水道と同じような感覚で生活排水を処理でき安心できます。
村の時代から現在までその使用料金をどう算出しているのかというと、いたって簡単明瞭。基本料金に生活者の頭数を上乗せします。つまり『定額制』ということです。人数が多ければそれだけ使うでしょうということ、それだけです。どれだけ使おうが月々の料金に変化はありません。これ自体考え方次第ですが、これでいままで何らかのトラブルは無かったようです。
これが、市になって市のやり方に統一しようということになってきました。つまり『従量制』に変えようということです。長野市街もそういうことになっているということなのですが、上水道の使用料から下水の使用料を算出するということです。
このやりかたはおそらく日本中の多くの地域で採用されている方法なのではと思います。
これを鬼無里のような山間の田舎に当てはめようとすると簡単に行かない部分があります。つまり、下水を使用していても必ず上水を引いているとは限らないのです。
現在鬼無里においては上水は引こうと思えばほぼ全域で可能らしいのですが、それ以前から水の豊かな地域では、個人または数軒共同で引いた地元水道というものが多く普及しています。きれいな湧き水や沢水をそのまま引いているのですが、使用料ナシの上になんといってもうまい。これが安定して供給されればわざわざ上水を引くこともないのです。
ソノマノの舎でも現在四軒で湧き水を引いていて、上水は引かれていませんでした。
こういう世帯において下水料金の従量制を適用しようとせれば下水側にメータを付けるか、地元水道にメーターを新設するしかありません。下水に付けるメーターは非常に高価で現実的ではないそうです。そこで市は地元水にメーターを新たに設置するということにしたそうです。
問題なのはメーターを付けるにあたっての費用や管理。設置する費用事態は市で持つということになったのですが、管理維持は個人で、というところが問題。もし壊れたりすれば個人が修理しなければなりません。市の都合で市が設置したものを個人が管理するというのは何とも理不尽。多くの住民から反発が出て対応が決まっておりません。揚げ句の果てに浄化槽を撤去しろといいだす方も出てきたと聞きます。
従量制事態公平で悪い制度ではありませんが、馴染む地域と馴染まない地域があるということなのです。
これに似たことは上水にもあり、今だ申請中で工事の始まらないソノマノとしては理不尽ながらそれに従わざるおえないのが実情です。
何でもかんでも市街と同じにというわけにはいかないというのが、市街地中心の考えでは分からないようです。たとえばこんなこともあります。
上水のメーターの使用料を今までは冬期暫定料金としているそうです。どうしてかといえば、メーターの上に雪がどうしても多く積もってしまう家が多く、事実上メーターを確認するのが不可能なのが理由です。春になって、冬の分を精算するとのこと。合理的だと思います。これを市街地と同じように冬期も含めメーターを確認せよとなったそうです。
こんなことも分からない市街地のお役人。困ったものです。


石垣になぜか出来る超ナマコ壁