May 30, 2012

「鬼に訊け」を観た




西岡常一。法隆寺最後の棟梁で薬師寺再建の鬼棟梁。
鬼無里に来る前、彼の本を読み考えに触れ、古民家ヘの考えが確固たるものになった我が心の支えの棟梁でもあります(大げさー)。
彼の映画「鬼に訊け」。最近お世話になっている「相生座」でかかっているとなれば一も二もなく観に行かなくては。
信州に来て始めての映画館での映画鑑賞。


まぁ、西岡常一の名前がでていれば観たい人はいるだろうけど、何も知らないでこの映画を観て愉しめるのか?

鬼棟梁の頑固さ、怖さ。石橋蓮司のナレーションでは語られるものの映像からそれは伝わらない。
まだまだ駆け出しの見習い大工に優しく?言葉で教える棟梁に鬼の片鱗も見えない。
薬師寺の住職も威厳が無いし(これはしかたがないか)全体にピリッとした緊張感がありません。
唯一、槍鉋(ヤリガンナ 常一が復活させたという)や手斧(チョウナ)を使うシーン。これは良かった。リズミカルな削る音、はつる音。心地よい緊張感が感じられた。

薬師寺再建は彼の功績だが、個人的には、1300年の歴史を誇る法隆寺最後の棟梁としての西岡常一をもっと観たかった。
もっとも残念なのは、法隆寺歴代棟梁にのみ伝わる「口伝」を彼の口から聞きたかったこと。

この映画で語られる多くのことは本などで得られるもの。
もっともっと常一の言葉で、仕草で彼に触れられる映画であってほしかった。

監督は山崎佑次。聞きなれない名前だが、60−70年代に数本の映画を撮っている。いずれも観ては無い。
が、気になる映画が一本。黒木和雄がATGで撮っている「日本の悪霊」。これで、助監督を務めているのが山崎佑次。
黒木和雄とATGの組み合わせに絡んでいるとは。
ならば、実はもっと長い作品だったのかもしれない。泣く泣く端折ってこうなったのかも、と勝手に想像してしまう。
元になったビデオ作品を見て観たい。
監督のインタビュー
Posted by sonomano at 20:41:00 | from category: Main | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
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