December 22, 2008

マイ小麦でピタパン作り。

鬼無里小学校にて。2年生の授業。

1年生の秋に蒔いた小麦。一人ひと畝担当し、
暑い夏には草取りに励み、雨を気にしながらの収穫、
昔ながらの足踏み脱穀機と最新ハーベスターでの脱穀、
近くの製粉所へ持ち込み工場見学とすべてを体験した2年生。

7kgの地粉ができました。品種はシラネ。
去年の2年生から引き継いだ麦です。

「さあて、なに作る?」の声に、「うどん!パン!おやき!全部!」の声。
「みんなが大事に育ててきた小麦だから、小麦の味がよくわかるモノがいいな!」という先生の提案で、まずはパンを作ることになりました。

そこで、子供達と全部の工程を一緒に参加させてもらったお礼に、
みんなのパン作りをお手伝いさせてもらうことになりました。

パンといえば、ふっくらふわふわの・・・をイメージする子供達。
先生に世界のパンのお話を読んでもらい、
色んなパンがあることを知りました。

今回はマイ小麦の味を、鬼無里の地粉の味を、感じて欲しいというのが目的。

ならば、パンの起源でもある
春の音楽会で歌った♪パンのマーチにも出てきた、

エジプトの母さん達がやきあげた〜♪

『ピタパン』で粉の味をダイレクトに
味わおうということになりました。

地粉・水・塩・少しの酵母でできるシンプルパンです。


【1時間目】
スタート!
まずは「パンは何でできてるの?」というところから。

小麦粉・水・塩・こうぼ!!!

じゃあ、「酵母ってなに?」

空気中に存在する微生物。

見えない酵母の説明をするのは大変です。

そこで、夏に仕込んであったブルーベリーの酵母(液種)を前日から元気にさせ、
子供達の目の前でオープン!!!

プシュッ!ぼとぼとぼと。あわわわわわあ〜と

咄嗟にフタをきゅっと閉め、今度はゆっくり開きガスが上る様子と
しゅわわわわわ〜という音を聞いてもらいました。

目に見えない酵母菌は、糖分を食べてガスを出すことで増えていき、強くなり、
このしゅわわわわわ〜
というガスを小麦のグルテン(ガムのような性質)が包み込んで
パンを膨らませるんだよ。
だから、この酵母が入っている

「パンは生き物なのでしたー。」

とまとめると、「きもちわる〜い」と素直な表現のこどもたち。笑

ちょっと慌てましたが、パンが出来る仕組みをうっすらとでも、
理解してくれたようなので実習にかかります。


【2時間目】
ピタパンのフィリングは、これまた自分達の畑でとれた小豆であんこを作りました。
休み時間には豆の選別をし、コトコト煮ている間にパン作り。

二人でひとつのボウル。地粉(ふすまをプラス)・塩・水・酵母を計っていれたら
お楽しみの、こねこねこね&コネコネコネ。
はじめ、手にまとわりついていた粉もしばらく捏ねるとひと塊に。

表面がツルンとしてきて、両手で引っ張ったときに向こうが透けて見えるくらいになったら終了。

生き物であるパン生地はみんなと同じ、寒すぎるのも暑すぎるのも苦手。
発酵し易い温度26℃を目安にボウルが入る大きさのフタのできる容器に
お湯の入った湯呑みと電気あんかをいれ、発酵開始。


【3時間目】
発酵中は、図工の授業。


【4時間目】
給食を挟んで、いよいよ焼きます!

発酵の終わった生地はなめらかで弾力があります。
変わった質感を手で確かめながら、分割、丸め、のし棒で丸く伸ばし、
何も敷かないフライパンにのせて焼き始めます。
表面がうっすら透明がかってきたら、ひっくり返します。
次に直火にうつすのですが、危ないので焼き網にのせてやや強火で焼くと・・・・・

オー・・・・・・・・!!!ぷくーっと膨らんできた!!!!
子供達の目もまん丸に。

「生きてるみた〜い!」

今回のクライマックスです。

途中、そんなにしたら、、、と思う場面でも、いい意味で
目が行き届かないので気になりません。
多少いじりすぎても大丈夫!自分達のやりたいように
作業でき、ノンストレスで子供達もいい表情。

うまく膨らんだのも、膨らまないのもありましたが、お家に持って帰って
あんこを詰めたり、のせたりして家族みんなで美味しくいただきました。

そして肝心の粉の味は・・・・・あまいっ。
家の粉ともまた違う味がしました。

こうして、マイ小麦でのピタパン作り、無事大成功に終わりました。


世界にパン職人は数居れど、自ら作った小麦でパンを焼いている人は少ないと思います。
とてもリッチな体験です。
小麦作りから、約一年。
これだけの時間をかけて学習できるのも、田舎の学校ならではの
良さだなと改めて思いました。
先生としては、かなり思い切らないと出来ないそうですが、、、
続けて欲しい体験ですね。

あっ、すべて終わってから・・・気づきました。

先生にもだれか味見させてあげた???




Posted by sonomano at 20:00:00 | from category: パン | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
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